防災用燃料について真剣に考えてみました。前編。
我が家ではわりと普段の食事でカセットコンロを使う機会が多いので、
緊急時に煮炊きしたいときはこのカセットコンロを使おう!
ボンベは6本くらい常にストックしていれば大丈夫でしょう!(特に計算したわけではなくなんとなく)
と思っていましたが、
ここのところの大雪での立ち往生や停電の話や、最近防災用の燃料についてアルコール燃料をご購入された方の話を聞き、ここはテキトーではいけない…と、ちょっとまじめに悩んでみました。
緊急時に使える、食品を加熱するための機材はどんなものがあるか?
まず、防災用に使える機材と燃料について。
一般論はさておいて、車もない、庭もない、緊急避難所になりうる場所以外の空き地も近所にない我が家で使うことを前提に考えました。
参考までに、アウトドアキャンプをする方などは燃料などの話は当たり前かもしれませんが、我が家は超インドア派でアウトドア用の装備なども持っていません。
液体燃料(アルコール)とアルコールバーナー
まず液体燃料にはメリットがいくつかあります。
- 火力は弱くない
- 低温で着火可能
- すすが出ない
ざっと見た感じ、使い勝手としては一番よさそうです。
消毒用エタノールも濃度は若干劣るものの、液体燃料用のアルコールバーナーで燃料として使用できるということで、このセットを常備しておくのが一番いいのかもしれないなと思いました。
注意点としては、コンロにそそぐ際にこぼれた液体が見えにくく、誤って引火させる可能性があるということ。
使う時は必ず手元に光のある状態で、液体がこぼれてないか見えるようにしておく必要があります。
リンデンの「除菌もできる燃料用アルコール」はサトウキビを原料としたバイオエタノールに食品添加物にも使われるNPA、IPAを配合した燃料用アルコールで、燃焼しても温暖化ガスの排出に繋がらず、火力もメタノール同等です。
また燃料としてだけではなく、除菌・消臭剤としても使えます。
携帯コンロ(ポケットストーブ)
以前からエスビットのポケットストーブが気になっていました。
手のひらに乗るくらいのコンパクトサイズで、専用の固形燃料(タブレット)を使用します。
ストーブ本体のサイズはスタンダードサイズとミリタリー(ラージ)サイズがありますが、ラージはほんとに大きい(ポケットサイズではない)ようなので、緊急時用保険と考えたらスタンダードサイズでよさそうです。
燃料のタブレットは2種類、スタンダード(4g×20タブレット/燃焼時間1タブレットで約6分間)と、ミリタリー(14g×6タブレット/燃焼時間1タブレットで約12分)があります。
このタブレット燃料、最大の弱点は途中で燃焼を止めることができないこと。
そのためご飯が炊けたりお湯が沸いても燃焼し終わるまでは火が消せません。
また風の有無で燃焼時間に大きく差が出るようなので、使うときは風防が必須のようです。
※純正のタブレット燃料は(屋外で使う分には人体に影響がない程度ですが)有毒ガスを発生させるため、屋内では使えません。
緊急時に我が家で使うならベランダかな…
更に色々調べていくうちに、純正タブレットにこだわらなくてもいいのかもしれないことが判明しました。
底上げできる本体を使って、ここに入るパック型燃料を使ってしまえばいいってことですね。
邪道ですが。
屋内で使用できること、他にも流用できることなど考えるとパック型燃料の方が気軽に使えそうな気もします。
アウトドア用ガスバーナー
火力としては最も強いです。
ただ我が家の場合は自宅が無事ならばカセットコンロが使えるため、わざわざアウトドア用のバーナーを増やさなくてもいいのかなとも思いました。
家庭用カセットコンロは普段からホットプレートやタコ焼き器代わりに使うので、ボンベ備蓄を増やし、ローリングストック方式で使ったら補充し、非常時用に一定数保持しておけばいいのかなと。
ちなみにアウトドア用のガスバーナーと家庭用カセットコンロのガスボンベの違いは、成分の違いになります。
たとえばイワタニの一般用ボンベだと家庭用は10℃以上、アウトドア用は5℃以上で使用が可能、とのこと。
寒い冬に外で使おうとすると、アウトドア用でも沸点の低いプロパンが入ってるタイプが推奨されますが、若干高額になります。
(イワタニのカセットガスが350(294)円/250gに対し、イワタニプリムスのハイパワーガス(気化促進機能付き)は600円/225g)
アウトドア用を多めにストックしておきたいところですが、日常使いにアウトドア用を使うのは贅沢すぎる感じです。
家庭用でも0度前後であればなんとか火は付くようなので、手で缶をある程度暖めればいけるかな。と。
日常使い用を非常時用にどこまで対応させるか考えどころです。
ガスは別売り。
ケリーケトル
二重構造の細長いやかんの内側で小枝などを燃焼させ、内壁と外壁の隙間に水を入れてお湯を沸かします。
特定の燃料は使わず小枝や松ぼっくりなどその辺に落ちてるもので簡単にお湯が沸かせる点や、構造上雨風に強いなどがメリットです。
デメリットは、サイズに対して1回に沸かせる量が少ないこと。
たくさん沸かせるタイプもありますが、そのぶんサイズも重量も大きいので持ち出しには不便だなという印象です。
車に積んでおけるとか、家に置いておいていざとなったら庭で使う、という使い方ができればいいいかもしれません。
次回、実際に使うことを想定したときにどの機材と燃料が適切かを考えてみます。