色彩検定3級とUC級の受験と合格の話。
2022年夏期に色彩検定3級、2022年冬季に色彩検定UC級をそれぞれ受験し、無事合格しました。
色彩検定の合格率は高い、難易度は低い、と言われていますが、それでも受かってよかった…
色彩検定とは?
色彩検定とは公益社団法人色彩検定協会が実施する、色に関する知識や技能の検定です。
1~3級とUC(ユニバーサル)級があります。
順位付けとしては1級・2級・3級・UC級のようです。
ただUC級は色の基礎知識の話もあるので、受けてみた感覚としては3級の知識があってのUC級という気もしました。
3級は色彩の基礎の基礎、色が何故見えるかとかどういった分類があるかなどを学びます。
またUC級では色覚特性や高齢者の色の見え方、色のUniversalDesignの進め方などを学びます。
色彩検定公式サイトで詳しく情報が出ています。
色彩検定を受けようと思った経緯
実は本当に受けたかったのはUC(色のユニバーサルデザイン)級でした。
(ところでこの『UC』が何の略か調べてもよくわからなかったんですが…Universal Colorかな?)
UC級とは特定の色が見えにくいなど色覚特性を持つ人にも配慮した色彩デザインを学ぶ級です。
今までもwebデザインを考える際に、色覚に関して考慮してなかったわけではありません。
色覚特性確認用のアプリで見えるかどうかチェックしたりもしていました。
が、あくまで『文字が読めるか読めないか』という部分しか考えていませんでした。
先日とある仕事中、色覚特性があるかもしれないお客様とお話しする機会がありました。
(実際にその方が色覚特性があったかどうかまでは確認していませんが、お話していた時にそうではないかなと感じて)
その時に、色は大事な役割を持っていること、ただ判別できたり読めるだけでは本当はダメで、注目してもらうべき文章や図柄はその特性を踏まえた上で特性がない人と同様の印象を持ってもらうことも大事なのではないかなと思ったのです。
それから色覚特性のことについて知りたいと調べて行く中で色彩検定UC級の存在を知り、資格取得のために勉強すればこの特性について学べるのかなと思い勉強を始めました。
ただUC級は比較的新しい級(2018年新設)で情報が少なく、テキストも公式のもの1種類しかありませんでした。
そこで、まずは色の基礎を学ぶところからはじめるべきでは?と、色彩検定3級を受けることにしたわけです。
色彩検定3級、UC級について
ここからは、色彩検定についてのこと、私が実際に受けて感じたことなどを書いていきます。
色彩検定3級・UC級って簡単?
難しいか簡単かは人それぞれの感覚ですが、3級やUC級は『事前にきちんとテキストを読み込んでおけば簡単』だと思いました。
色彩検定3級は受験者の合格率が75%程度、UC級は90%近くになります。
特に実技などはなく(1級は実技があります)、ひたすらマークシートの選択式(UC級の場合は一部筆記)なので、基本的な部分を押さえておけばそれほど難しくはありません。
回答率は3級、UC級とも70%くらいが合格ラインなので、200点満点中140点以上取れれば合格できます。
ただし何の前知識もなくいきなり試験を受けてこの70%が解けるかというと余程のマークシート運がないと難しいかなと思うので、事前に多少の勉強は必要です。
色彩検定を受けるために資格スクールに入る必要はある?
色彩検定2級・3級・UC級は、特にスクールに入ったりする必要はないのではと個人的には感じました。
私は3級に関しては本屋さんで売っている2級&3級対応版の書籍で勉強しましたが、内容を読む限りおそらく2級も同じように独学で取得できると思います。
ただ、自分一人ではどうしても勉強できないタイプだとか1人で勉強することに不安がある場合にはスクールもありかもしれません。
色彩検定の勉強方法は?
勉強なんて30年ぶりくらいの私です。笑
簡単か難しいかは置いておいて何かを始めるのも久しぶり、まずテキストを前から順番に読んでいきました。
3級受験の勉強で使ったテキストです。
試験会場に行くと皆さん公式テキストをお持ちでしたけども…
私はどうしても公式テキスト系は教科書っぽくて(教科書なんですけども)好きじゃなくて購入しませんでしたが何の問題もありませんでした。
ただUC級に関しては公式テキスト以外の情報も資料もなかったので、ここは諦めて公式テキストを購入しました。
webの仕事もですが、紙媒体の仕事も大昔に少しだけしたことがあったので、その記憶も繋ぎ合わせながらひたすら覚えていきました。
その中でも色彩検定3級に必要で私が特に頭に叩き込む必要があったのが以下の3つでした。
- 目の仕組み
- PCCSの色相環とトーンの概念
- JISの慣用色名
特に目の仕組みとPCCSの色相環に関してはUC級でも出題されます。
色相環とトーンの概念はなにも見なくても書けるように、無地のベースを作ってGoodNotesに貼り付け何度も自分で埋めていました。
JISの慣用色名は3級に関してはほとんどが聞いたことのある色名と想像通りの色だったので難しくはありませんでしたが、2級になってくると色数が増えるので単純に記憶力との戦いになってくるかもしれません。笑
UC級に関してはテキストを端から端まで1回読んで覚えなければいけなそうなところをスマホで撮って、移動の電車内や仕事の休憩中に読んだり同じ設問を何度も解いたりしていました。
読む→問題を解く→答え合わせで間違いを認識する→読み直す→…
と続けていくと記憶が定着しやすいのかなと思いました。(当方比)
色彩検定3級やUC級を受験するまでの勉強時間は?
3級に関しては本格的に勉強を始めたのは1ヶ月半前くらい、でも仕事のある日は基本的にはやらなかったので、日数だけカウントしたらちゃんと勉強したのは10日くらいだと思います。
UC級はたぶんまるまる勉強に割いたのは3日くらいでした。
ただどちらもその日数以外に、通勤時の電車や休憩時間などでできるだけ単語を覚えるようにはしていました。
色彩検定を取得するメリットは?
正直なところ、色彩検定を取ったからと言って就職活動に役立つとかそういったことはあまりないように思います。
(企業で資格取得者を優先して採用しているなら別ですが)
ただ、世の中にはグラフィック、web、ファッション、インテリア、プロダクト、空間、環境などさまざまなデザインを行う職業があり、どの職業についても色彩に関しての基礎知識を持っておくことはとても重要です。
デザイン関連の仕事に就く、もしくは就いていて色彩についての知識が足りないのであれば、この色彩検定を取得するための勉強をすることも知識を得るためのひとつの手段だと思います。
医師や弁護士、普免などの必須資格は別として、資格というのは仕事に就くためのものではなく、その仕事に必要な知識の一つとしてその分野を勉強した上で知識の確認のために検定を受け、その資格取得をもって第三者から見てそこまでの知識はあると判断するという要素でしかありません。
私はwebの仕事をしていた時期もあり色彩に関しては少なからず学んだ部分もありましたが、とても偏った知識しかなかったんだなと勉強することで改めて感じることができました。
特性は色覚に限らずですが、持っていない人には持っている人の見え方感じ方が分からないので、注意を怠ってはいけないという戒めも込めてこの検定試験は私にとってはとても有意義なものだったと思います。
色彩検定ってどうなのよ?って思ってる方の参考になれば幸いです。
まぁそれにしても受かってよかったよかった。笑